「拠点や店舗が増えるほど、同じ業務でもやり方がばらついていく」というご相談を、複数の事業所を運営する企業からよくいただきます。本部で決めたはずの手順が、拠点ごとに少しずつ独自のやり方に変わり、品質や対応に差が出る、新しい拠点を立ち上げるたびに教育がやり直しになる、というお悩みです。
私たちは、拠点が増えても基準を一つに保つには、「共通でそろえる部分」と「拠点ごとに事情が違う部分」を分けて考えることが大切だと考えています。すべてを一律にしようとすると現場の実態と合わず、かといって各拠点任せにするとばらつきます。本記事では、共通の基準と拠点ごとの事情を分けて整理し、動画でそろえていく進め方をまとめます。
多拠点でばらつきが生まれる理由
拠点が増えると、いくつかの理由でやり方がばらついていきます。
一つは、伝わり方の差です。本部から文書で手順を配っても、受け取った拠点が解釈を変えたり、現場に合わせて独自に変えたりします。文字だけだと、同じ手順書でも拠点ごとに違う作業になることがあります。
もう一つは、更新の伝わりにくさです。手順を変えたとき、その変更がすべての拠点に同じように届くとは限りません。古いやり方が残る拠点と、新しいやり方の拠点が混在します。
ばらつきは現場の怠慢ではなく、伝え方の問題であることが多いと私たちは考えています。見れば分かる基準があれば、解釈のずれは小さくできます。
共通と個別を分けて整理する
そろえるための第一歩は、業務を二つに分けて考えることです。
一つは、どの拠点でも同じであるべき「共通の基準」です。品質や安全、コンプライアンスに関わる部分は、拠点によって変わってはいけません。ここは本部が基準を作り、全拠点で統一します。
もう一つは、拠点ごとに事情が違う「個別の補足」です。設備のレイアウトや地域の事情など、現場に合わせる必要がある部分です。ここは共通の基準を土台にしつつ、各拠点が補足を足せるようにします。
まず共通部分から: いきなりすべてをそろえようとせず、品質や安全に関わる共通部分から基準を作るのがおすすめです。影響の大きいところからそろえると、効果が見えやすくなります。
動画でそろえる進め方
共通の基準を動画にすると、拠点をまたいだ統一が進めやすくなります。基本の流れは次のとおりです。
- どの拠点でも同じであるべき業務を一つ選ぶ
- 基準となるやり方を録画する(本部やモデル拠点で)
- AIに解析させ、手順のまとまりごとに区切った下書きを作る
- 共通の基準として、要点や注意点を整える
- 各拠点に配り、拠点ごとの補足を足してもらう
- やり方を変えたときは、基準の動画を撮り直して全拠点に配り直す
文書だけでなく映像で配ることで、解釈のずれを小さくしながらそろえられます。
運用するときのポイント
多拠点ならではの、運用で気をつけたい点があります。
更新が全拠点に同じように届く仕組みにしておくことが大切です。誰がいつ基準を見直すのか、変更をどう周知するのかを決めておくと、古いやり方が一部の拠点に残ることを防げます。
また、共通と個別の境目をはっきりさせておくと、現場が迷いません。「ここは全拠点共通」「ここは拠点ごとに補足してよい」と明示しておくと、勝手な変更と、必要な現場対応を区別できます。
Flowbaseでの考え方
私たちが提供しているFlowbaseは、業務の様子を録画すると、AIが内容を解析して手順書の形に整える仕組みです。本部で基準を一本作り、全拠点に同じものを配りたいときほど、撮るだけで下書きができ、配って更新できる手軽さが活きると考えています。
大切なのは、共通の基準と拠点ごとの事情を分けて整理し、変化に合わせて基準を更新し続けることです。見れば分かる基準を土台に、拠点が増えてもやり方をそろえていく。その積み重ねが、どの拠点でも同じ品質を保てる組織につながる、と私たちは考えています。
なお、ここでご紹介した進め方が、すべての業務にそのまま当てはまるとは限りません。私たちもあらゆる現場で検証できているわけではないため、お客さまのご相談をいただきながら、プロダクトやAIの精度を一緒に調整し、現場に合う形を探していきたいと考えています。まずは小さく試して、合うかどうかを一緒に確かめさせてください。
よくある質問
Q拠点ごとに事情が違っても統一できますか?
すべてを一律にする必要はありません。品質や安全に関わる共通の基準はそろえつつ、設備や地域の事情に合わせる部分は拠点ごとに補足できるようにするのがおすすめです。共通と個別を分けることで、統一と現場の柔軟さを両立しやすくなります。
Q手順を変えたとき、全拠点に行き渡らせるには?
基準となる動画を撮り直し、全拠点に配り直す形がおすすめです。誰がいつ更新し、どう周知するのかを決めておくと、古いやり方が一部の拠点に残ることを防げます。文書だけより、映像のほうが変更点が伝わりやすいと考えています。
Q新しい拠点の立ち上げにも使えますか?
共通の基準がそろっていれば、新しい拠点でも同じ動画で教育を始められます。立ち上げのたびに一から教え方を考える必要が減り、最初から同じ品質に近づけやすくなります。